金澤典子オペラ『ホフマン物語』レポート

001年9月12日

 9月9日『ホフマン物語』の上演が好評のうちに終了いたしました。これも色々とご指導くださった共演者、スタッフの方々と、見に来て頂いた皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。さて、遅くなりましたが『ホフマン物語』出演について順に書いてみたいと思います。ほとんど日記です。

 7月18日に初めて音楽稽古に参加しました。まだ全部暗譜していたわけではなかったのでかなりドキドキしながら参加しましたが、皆さんもまだこれからという感じだったのでちょっと安心しました。まだ指揮の渡辺麻理先生は日本にお帰りになっていないので、お帰りになるまでは主に副指揮の諸遊さんと米津さんにご指導していただきました。他のソリストの方々はもう前の週から音楽稽古に参加なさっていました。オランピア

 衣装合わせに伺う。試してみたら、入らない。3月にサイズを出したときよりも太ったとは思ってたけど、それほどとは。ウエストもきついけど胸回りもきつい。結局、衣装を新しく作って頂くことになってしまいました。申し訳有りません。今度サイズを提出するときは、一回り大きめにしておこうと思いました。元の衣装は壊れたマネキンが着ることに決定。

 次の週に、渡辺先生がいらっしゃいました。その時、オランピアのカットされていた最後のコロラトゥーラ3ページ分が実は手違いでカットされていたことが判明。急遽練習をすることに。あと2週間で立ち稽古なのに〜。と思いつつ、毎日そこばかりを家で練習しました。渡辺先生の臨時レッスンも2回あったおかげで、何とか立ち稽古に間に合いました。

 7月4週目は『金澤典子ソプラノリサイタル』の準備のためにお稽古を5日間お休みさせて頂きました。こちらの演奏会は何とか好評のうちに終了。聴きにいらした方々、主催の大島さん、本当にありがとうございました。

 8月2週目から立ち稽古が始まりました。本番一ヶ月前です。1幕の立ちを演出家の先生が付けている間にバレエの先生に人形の動きを教えて頂いたあと、2幕の立ちを付けて頂きました。オランピアのアリアに関しては、2番で立ち上がって歌うというのを決めて頂いた以外は、自分で適当に動きました。

 8月3週目までに2幕の立ちはほとんど決まりました。音楽稽古の時は歌っていた2番のヴァリエーションの2カ所が動きに合わないので、その部分のヴァリエーションは無しにすることに勝手にきめました。アリアでの動きはまだちゃんと自分で決められてないので、毎回ちょっとずつ違うことをしていました。いやはや。

 A組のオランピア、小川さんがビデオカメラを持ってきていたので、真似をして一度だけ撮影していただいた。お陰で動きの感じが良く分かった。思っていたよりお人形らしく見えるので安心。ビデオを何度か観て、アリアでの動きをちゃんと把握する。

 8月4週目はちょっと長いお休み。8月最終週のお稽古で、アリアのあとにお辞儀をすることを思いついて、やってみたら演出家にオーケーを頂いた。演出家のバウエルンファイント氏は歌手の動きで変なところがなければ自由にやらせるタイプのよう。基本の動き(立ち位置など)さえちゃんと踏まえていればかなり自由に演技してもいいみたい。

 9月1日、初めてのオケ合わせ。立ち無しでのオケ合わせだったので、その前に家で歌の練習をかなりやっていった。ちょっとボロボロっとしてしまったところもありましたが、オケの方々から拍手?を頂きました。やっぱりこういうアリアの時にはオケの方も拍手してくれるのかしらんとかその時は思ってましたが、首都オペラでそういうことは初めてだったとか。後で合唱団の方にそう聞かされてビックリ。

 9月2日、立ちつきのオケ合わせ。動きで忘れてしまうところがまだあるので心配。このあと9月7日のゲネプロまで練習がないというので、臨時練習を5日に入れる。

 5日の臨時練習はあっという間に終わったので、ホールの客席見学に行ってから帰った。ホールの感じが掴めたので良かった。響きもよさそう。

 7日、ゲネプロ。朝から出かけてA組のゲネプロも聞く。やはり響きのいいホールだと思った。ゲネプロの写真をデジカメで撮ったが、ほとんどは暗すぎて失敗。残念。当然、自分のシーンの写真は撮れませんでした。楽屋着を忘れて、A組のアントニア、矢島さんにお借りした。ありがとうございました。この日は帰りが12時半頃になった。

 8日はA組の本番でした。私は家が遠くて終わった後に家に帰れないだろうと思い、ご遠慮させていただきました。近かったら見に行きたかったんですが…。当日の自分のコンディションがこのせいで悪くなっても困ると思って。

 9日、B組の本番でした。調子はまぁまぁ。朝早く起きて、とにかく発声練習とコロラトゥーラのコンディション練習、一通りオランピアのパートを歌ってから出かけました。2時間半前に会場入り。楽屋着に浴衣を持って行きました。ヘアメイクが出来上がったらミスマッチな格好でした。お昼を頂いてから、衣装を付けて待機。その間に共演者の方と写真を撮ったりして。
 
 2幕の前に腕にも化粧していただきました。オランピアの出番は2幕が始まってから15分後くらいだったので、それまで写真を撮って時間つぶし?合唱の方々とも撮って頂きました。
 
 合唱が出たあとが私の出番。出番前、何故か左足の裏が釣りそうになりましたが、舞台に上がったら忘れてしまいました。最初の『ウィ』がちゃんと響いていたので、安心してアリアもちゃんと歌えました。ちょっと息継ぎが一生懸命になってしまった所があったのと、低音の音程が不安定になりそうでしたが、高音もちゃんとはまって気持ちよく伸ばせました。アリアの後、思いがけず沢山の拍手と『ブラボー』を頂けたので驚きました。ちゃんと終わるアリアで、合唱の人たちも拍手をする為、拍手が頂きやすいアリアだとは思っていましたが、あんなに熱狂的に拍手していただけるとは思っていませんでした。もう一度くらい挨拶するべきだったかな…?と後で思いました。でもお人形なので、そのまま止まっている状態で正解だったと思いますけど。

 ホフマンと踊って、彼を振り放したあと、ホフマンを踏みそうになりながら元にもどりました。あのあとはかなり心臓がドキドキして息が上がっているので、本当は『ウィー』なんて歌ってる場合じゃないのですが、慣れとは恐ろしいものでちゃんと歌えましたね。そのあとのコロラトゥーラの3ページは、それまでもお稽古では楽に歌えなかった3小節(家ではちゃんと歌えたのですが…練習では踊らないで歌うからかしら)がやっぱりちょっと大変そうになってしまいました…反省。でも最後の最高音が綺麗に響いたので良しとしましょう。

 2幕の出番のあとカーテンコールがあって、休憩。私は5幕まで時間があったので、裏で色々時間つぶしをしていました。写真を撮ったり、頂いたお花を取りに行ったり。
 5幕では後ろに合唱の人たちと混じって並び、最後の重唱を歌っていました。
 カーテンコールでは、ヒロイン3人、アントニアの山口さんとジュリエッタの石渡さんと出たときに、ジュリエッタの衣装の裾を踏んづけるというハプニングで笑われたりしましたが、無事に終了。沢山の拍手とブラボーをまたまたいただきました。ありがとうございました。

 公演のあと、共演者やスタッフの皆さんからお祝いの言葉をいただきました。着替えてから両親に皆さんから頂いたお花などを持って帰ってもらい、楽屋口で見に来てくれた友人と会い、そのあと私は打ち上げに出ました。9時半くらいまで居て、帰りました。家に着いたのは11時半ごろでした。

 今回の『ホフマン物語』は私にとっては日本での大舞台デビューでした(6年前に日暮里サニーホールで現代室内オペラは歌っています)。自分ではかなり久しぶりのオペラだったこともあり、最初はかなり不安だったのです。でもそれが無事に終わって、それも多くの方々から良かったとの感想をいただけて、とても嬉しく思っています。

 また、共演者の方々にも恵まれて、いろいろご指導いただいて、とても勉強になりました。
 主催の永田優美子先生をはじめとするスタッフの方々にも大変お世話になりました。皆さんの暖かい励ましのお陰で、無事に本番を終えることができました。ありがとうございました。

 自分の実力というのは自分自身ではあまり量れないもので、観客の方々や共演者の方々の言葉と反応で初めて実感できるものなのだなぁと思います。『感動したよ!』と言って頂けることは本当に嬉しいものですね。
 これを自分の糧にしてこれからも頑張っていきますので、皆さんこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

渡辺麻理先生と
指揮の渡辺麻理先生と。
先生の指揮は歌いやすかったです。
 

 ホフマン役の土師さんと。  ホフマンと

オランピアの後ろ姿
 オランピアの後ろ姿です。
背中の編み上げが可愛い。自分では着られませんけど。衣装さんの力作です。
 

ニクラウス&演出家
ニクラウス役の安念奈津さんと演出のバウエルンファイント氏
 

A組のオリンピア、小川さんと。打ち上げで。
A組のオリンピア、小川さんと。打ち上げで。
オリンピアの名残で私の髪の毛の前の方が茶色い。
 

スパランツァーニ役、小原さんとコシュニーユ役、森田さん
コシュニーユ役の森田さんとスパランツァーニ役の小原さん。2幕トリオです。